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行きたい高校に届かない。それでも“進路選び”は続いていく | ブログ | ヒトノネ 育ち合う社会を
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行きたい高校に届かない。それでも“進路選び”は続いていく

中学2年生の頃、学校にはほとんど通っていなかったある生徒。

それでも今は、自分のペースで登校を続けながら、受験に向けて学習にも取り組んでいます。

「定時制高校がいいかな」

「通信制高校も見に行ってみようかな」

そうやって、少しずつ前を向いて進路を考えられるようになったのは、ここ最近のことです。

そんな中、ある全日制高校の存在を知り、学校の雰囲気がすっかり気に入った様子。

「ここ、行きたい」

そう素直に口にするその姿に、複雑な気持ちになったのを覚えています。

現実はそう甘くありません。

点数も、内申点も、今の状況では到底届かない。

その事実を一緒に確認したとき、彼はつぶやきました。

「行きたくなくて学校を休んだわけじゃないのに」

「もっと早く頑張れてたら、行けたのかな…」

悔しさ、後悔、そして絶望。

それでも彼は、こうも続けました。

「でもさ、不登校になってなかったら、ヒトノネにも来てなかったし、

ここの人たちにも会ってなかったんだよな。

これはこれで、よかったのか。」

どんな進路を選ぶか。

どこに進学するか。

それだけが、進路選びのすべてではありません。

「思うようにいかないことを受け止める力」

「それでも前を向こうとする気持ち」

「今いる場所に意味を見出そうとする視点」

そうした心の成長こそが、進路選びを通じて得られる一番の学びではないかと、彼の姿を通じて私たちも改めて考えさせられました。

高校受験は、人生で初めて「自分で選ぶ」大きな経験。

希望を抱き、絶望にぶつかり、でもそこで終わらず、自分の選択をしていく。

そのすべてを、私たちは支えていきたいと思っています。