2024.11.21
自分を表現する勇気が生まれた瞬間
スタッフ清水です。
原稿用紙を画用紙で丁寧に製本したこの作品。
実は、塾生が書き上げた短編ホラー小説なんです。
3人の登場人物がそれぞれ個性的で、さらさらと読み進められる上に、不思議で少し不気味な余韻が残る、面白い小説でした。しかし、私の心が一番動かされたのは、小説の中身以上に、彼が「読んでみて」とこの作品を持ってきてくれたことでした。
出会った頃の彼は、自分を表現することに対して、どこか恐れを抱いているように見えていました。
そんな彼が、自らの手で一つの作品を作り上げ、人に見せたいと思い、「どう感じた?」と嬉しそうに聞いてきた。その変化に私はとても感動しました。
彼は長年不登校でしたが、今年に入ってから少しずつ登校できるようになっています。今月は5回も登校する予定とのこと。
先日、保護者の方が「清水先生と一緒に学校へ行ったことで、学校への見方がガラッと変わったんです。今では、学校も安心できる場所だと思えるようになったみたいです」とお話してくださいました。
誰か、どこか、何か、安心できる関係性や居場所があり、「これができる」と自信を持てる何かが一つでも見つかれば、前に進んでいける。改めてそう感じています。
学校に行くことだけが全てではありませんが、学校を居場所と感じ、そこで学びたいと思う彼を見て、心から嬉しくなります。
それぞれの子どもたちが、それぞれの居場所を見つけ、その子なりに進んでいけるように、私も後押ししたいと改めて思いました。