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興味のあることをとことん─富田高校1年生の母が語る、息子の成長と進路選択 | ブログ | ヒトノネ 育ち合う社会を
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興味のあることをとことん─富田高校1年生の母が語る、息子の成長と進路選択

こんにちは。
今回は、岐阜県の私立高校(富田高校)に通う高校1年生のお母さんにお話を伺いました。

小さい頃から「好きなことはとことん、興味がないことは一切やらない!」という息子さん。
親としては不安も多かったそうですが、今では自分の世界を広げながら、高校生活を楽しんでいるそうです。

そんな彼の進路選択や成長について、どのように向き合ってこられたのか、お話を伺いました。


高校生活が始まって変わったこと

高校生活が始まってから、本当に生き生きしています。今は“刀”に夢中で、関市の博物館に通ううちに、株や居合、弓道にも興味を広げています。

勉強も頑張っていて、特に好きな数学には積極的。テスト前は夜中まで勉強する姿も。苦手科目は『最低限でいいや』と割り切っていますが、それでも自分なりに取り組んでいます。

中学時代と比べて、自分でやれることが増えました。提出物はきちんと出すし、居合や弓道の道場でも、大人に混じって自然に馴染んでいます。そうした環境で、いろんな働き方や生き方に触れる機会が増えたのも、彼にとって良い影響になっていると思います。

進路を考えたきっかけと、決断までのプロセス

中学2年の終わり頃、「進学も就職もしない。社長になって億稼ぐ」と言っていました。

内申点はほぼ2で、1がいくつか。「受けられる高校なんてない」と思っていましたが、少しずつ変化がありました。

実は、中学になって「特性に向き合おう」と思い、放課後等デイサービスの みちな を利用し始めました。

最初は「勉強もしてくれたら…」と親としては期待していましたが、本人は全くやらず。それでも、みちなではポケカの運用や株、DTM(デスクトップミュージック)など、自分の興味を深められる環境がありました。

そんな中、剣道部の先生に「今は通信もいろんな学校があるから、見てみるといい」と言われ、進路の選択肢を広く考えるようになりました。

さらに、ママ友から「私立は手厚いらしいよ」「単願推薦なら、一般受験より点数が低くても入れることもあるみたい」と聞き、学校に相談してみることに。

情報を集める中で、「富田高校の推薦が取れる可能性がある」とわかり、「条件をクリアすれば行けるかもしれない!」と実感できたことで、本人も進学に前向きになり、少しずつやる気が出てきました。

受験期に意識したこと

「頑張ればなんとかなる」と本人が思える環境を大事にしました。

富田高校の推薦を受けるには、内申点を上げること、欠席を減らすこと、校則を守ることが条件でした。これが明確になったことで、「じゃあ頑張るか」と気持ちが変わったんです。

それまでは自分のこだわりを曲げることができず、学生服を着ず、学校指定のカバンをルール通り持たなかったのに、「校則を守ります!」と校長先生に宣言し、実際にしっかり守れるようになりました。これは大きな成長でしたね。

また、「数学をやりたいから普通科がいい」と言っていたものの、全教科のバランスを考えて先生と相談し、商業科を選択。結果的に「今の学校・学科はとても合っている」と感じているようです。

中学時代に利用した支援と、進学後の変化

中学2年生からみちなを、最終的には Imaru個別指導塾 を利用し、学習のフォローをしてもらいました。

ただ、「支援を受ける」ことへの抵抗感がとても強く、最後まで「勉強しに行く」とは言わなかったですね。

それでも、先生との面談を通して私自身も頭と心の整理ができ、勉強してもしなくても、あの子はあの子のままで受け入れられていると感じられた。そういう場所があったのは、私にとっても本人にとっても良かったと思っています。

小学生の頃の悩みと、今思うこと

小学生の頃から、興味のないことは一切やらないタイプでした。そろばんや個別指導塾に通わせても続かず、勉強の遅れもありました。

「勉強は大事」「本人が困るから」と思って、塾やそろばん、英語教室に通わせたり、高い教材を買ったりしました。でも、結局やらなかったし、やれなかった(笑)。

今になって思うのは、『できないことを頑張るより、できることを伸ばした方がいい』 ということ。無理に全教科を完璧にしなくても、得意なことを伸ばす方が本人にとってもプラスになります。

もっと意識しておけばよかったこと

正直、「もっとこうしておけば」と思うことはあまりないんです。
息子は昔から“好きなことをとことん”のスタイルだったので、親が何を言っても変わらなかった(笑)。

ただ、強いて言えば「支援を受けること」「特性と向き合うこと」をもっと早くやっていれば…と思うことはあります。
学校で個別の支援を受けると決めたのが小学校5年生の時。
それまでは、「こういう性格だから」と特性から目を背けていました。

今は発達特性の理解や支援につなげる流れが整っていますよね。当時は「困ることが多いな」と感じつつも、どこに相談すればいいのかもよくわからず、親だけで頑張っては疲れるという状態だったように思います。

まとめ:子どもの“今”を大切にすること

昔は「満遍なく頑張らなきゃ」と思っていました。でも、今では「やりたいことをやればいい」と思えています。

親が焦って何かをやらせようとしても、子ども自身が納得しないと難しい。子どもが“今”に集中できる環境を整え、成長を見守ることが大切なんだ と感じています。


進学に消極的だったお子さんが、自分の可能性を感じ、進学に向けて動き出したのは、「頑張ればなんとかなる」と思える環境を整えたからこそ。

無理に苦手を克服するのではなく、得意なことを伸ばしながら、進路を見つけていく。そんな姿勢が、高校での充実した日々につながっているのかもしれません。

どんな子にも、自分らしく輝ける場所がある。大切なのは、それを見つけるための「環境」なのだと、改めて感じるお話でした。