2025.06.24
「行くつもりだったけど行けなかった」——その一歩の先にあるもの
体験に来る予定だった中学3年生の子が、来られなくなりました。
今、彼女は学校に通っていない状態です。
これまで通っていた別の個別指導塾には、行き続けていて、
そこが彼女にとって唯一“行けている場所”でした。
でも、そこで開かれた進路説明会で、周囲の“受験生”の様子に触れたことで、
今の自分とのギャップを感じ、気持ちが大きく揺れてしまったのだそうです。
「もう勉強してもしょうがない」
「どこにも行けない」
そんな思いが、ぐるぐると頭の中を巡ってしまっていたようです。
本当は、ここから考えられることがたくさんある
通信制高校や定時制高校、支援が手厚い学校…
今の彼女に合った選択肢は、実はあります。
「学校に行けていない=終わり」ではありません。
「今の自分にとって合う道はどんな道か?」を考えていくことが大事です。
でも、それを中学生の視点から一人で見つけ出すのは、とても難しいこと。
「行けていない自分はダメなんだ」という思いを抱えながらでは、
どうしても「全部無理」「何もできない」と思い込んでしまいがちです。
だからこそ、「今話したいこと」を安心して話せる相手が必要
焦らず、無理せず。
まずは、今の気持ちや不安を話せる場所があること。
その上で、少しずつ先を一緒に見ていけたら…と思います。
今回の体験のキャンセルを受けて、保護者の方ともお話をしました。
「今の自分と娘の困り感が整理できていなかったけれど、今日話して腑に落ちました」
「たった一度の面談だけでここまで理解してもらえていて、本当にありがたいです」
「予定をキャンセルすることに“ダメなこと”という気持ちがあったけれど、理解してもらえてホッとしました」
と、丁寧に言葉を返してくださいました。
「来られなかった」で終わらない関わりを
彼女がこの先また来てくれるかは分かりません。
でも、落ち着いたあとに「行けた」と感じられる経験が持てたら、
そこから先の相談を一緒にしたり、
あるいは「やっぱり今の自分には必要ない」と、自分の意思で選べるようになることの方が大事だと思っています。
「頑張りたいけど頑張れない」気持ちに寄り添いたい
頑張りたいのに頑張れない。
やりたい気持ちとできない現実のはざまで揺れる日々。
本人もしんどいし、保護者も本当にしんどい。
だからこそ、私たちは「大丈夫」と言える場所でありたい。
伴走したり、必要な時には背中を押したり——
そんな関わりを、これからも続けていきたいと思っています。