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「行くつもりだったけど行けなかった」——その一歩の先にあるもの | ブログ | ヒトノネ 育ち合う社会を
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「行くつもりだったけど行けなかった」——その一歩の先にあるもの

体験に来る予定だった中学3年生の子が、来られなくなりました。

今、彼女は学校に通っていない状態です。

これまで通っていた別の個別指導塾には、行き続けていて、

そこが彼女にとって唯一“行けている場所”でした。

でも、そこで開かれた進路説明会で、周囲の“受験生”の様子に触れたことで、

今の自分とのギャップを感じ、気持ちが大きく揺れてしまったのだそうです。

「もう勉強してもしょうがない」

「どこにも行けない」

そんな思いが、ぐるぐると頭の中を巡ってしまっていたようです。

本当は、ここから考えられることがたくさんある

通信制高校や定時制高校、支援が手厚い学校…

今の彼女に合った選択肢は、実はあります。

「学校に行けていない=終わり」ではありません。

「今の自分にとって合う道はどんな道か?」を考えていくことが大事です。

でも、それを中学生の視点から一人で見つけ出すのは、とても難しいこと。

「行けていない自分はダメなんだ」という思いを抱えながらでは、

どうしても「全部無理」「何もできない」と思い込んでしまいがちです。

だからこそ、「今話したいこと」を安心して話せる相手が必要

焦らず、無理せず。

まずは、今の気持ちや不安を話せる場所があること。

その上で、少しずつ先を一緒に見ていけたら…と思います。

今回の体験のキャンセルを受けて、保護者の方ともお話をしました。

「今の自分と娘の困り感が整理できていなかったけれど、今日話して腑に落ちました」

「たった一度の面談だけでここまで理解してもらえていて、本当にありがたいです」

「予定をキャンセルすることに“ダメなこと”という気持ちがあったけれど、理解してもらえてホッとしました」

と、丁寧に言葉を返してくださいました

「来られなかった」で終わらない関わりを

彼女がこの先また来てくれるかは分かりません。

でも、落ち着いたあとに「行けた」と感じられる経験が持てたら、

そこから先の相談を一緒にしたり、

あるいは「やっぱり今の自分には必要ない」と、自分の意思で選べるようになることの方が大事だと思っています。

「頑張りたいけど頑張れない」気持ちに寄り添いたい

頑張りたいのに頑張れない。

やりたい気持ちとできない現実のはざまで揺れる日々。

本人もしんどいし、保護者も本当にしんどい。

だからこそ、私たちは「大丈夫」と言える場所でありたい。

伴走したり、必要な時には背中を押したり——

そんな関わりを、これからも続けていきたいと思っています。